緊急避妊薬のOTC(販売店で直接取得)取り扱いについて
I. 緊急避妊薬のOTC取り扱いについて
A. OTCとは
B. 緊急避妊薬のOTC取り扱いとは
II. 緊急避妊薬の販売における問題点
A. 過剰摂取の危険性
B. 効果が薄れる場合がある
III. 緊急避妊薬のOTC取り扱いの利点
A. 性的健康権の保護
B. 即時性の確保
IV. 緊急避妊薬のOTC取り扱いに関する意見
A. 改正薬事法案による規制緩和に関する意見
B. 保険適用の問題
C. 性行為に対する偏見による店員による販売拒否等の問題
V. 結論
I. 緊急避妊薬のOTC取り扱いについて
A. OTCとは
OTCとは、「Over-The-Counter」の略語で、一般的な名称では「販売店で直接取得可能な医薬品」のことを指します。これらの医薬品は、処方箋の必要性がなく、一般的に薬局やドラッグストア、スーパーマーケットなどの特定の場所で販売されています。OTC医薬品は、風邪や咳、胃酸逆流、痛み、アレルギーなどの身近な症状の治療に使用されることが多いです。ただし、これらの医薬品の安全性や使用方法については、指示に従って正しく使用する必要があります。また、何らかの健康上の問題がある場合は、医師に相談することをお勧めします。
B. 緊急避妊薬のOTC取り扱いとは
緊急避妊薬は現在日本では処方箋がないと購入することができません。緊急避妊薬は、性的接触後72時間以内に使用する必要があるため、緊急性が高く、OTCで入手できることが重要な点です。
II. 緊急避妊薬の販売における問題点
A. 過剰摂取の危険性
悪用・乱用には注意が必要です。ただし、海外では薬を飲むから大丈夫という意識はなく性に対してしっかりと知識を持っていることが多いそうです。
B. 効果が薄れる場合がある
服用後吐いてしまうと効果が薄れる可能性があります。確実に避妊したい場合は日頃から低容量ピルを服用することをお勧めします。
III. 緊急避妊薬のOTC取り扱いの利点
A. 性的健康権の保護
性的健康権の保護とは、個人がその性的行動に対して完全に自己決定権を有し、自己決定に基づいた正当な選択を行う権利を保護することを指します。包括的な性教育、安全な性行為の推進、避妊法の利用の促進、HIVや性感染症の予防、望む時に妊娠中絶を受ける権利、性的暴力や性的いやがらせからの保護、同性愛者や異性装者、トランスジェンダーの人々の人権の保障などが、性的健康権保護の範疇に含まれます。国連人権委員会は、すべての人々が「個人の尊厳、安全、尊重、そして健康を確保するために、その選択、意志および希望に基づく、自己決定によって性的生活を行う権利」を持つことを宣言しています。
B. 即時性の確保
性行為後72時間後に服用する必要があるためすぐに服用する必要があります。そのためすぐに服用する環境が必要です。
IV. 緊急避妊薬のOTC取り扱いに関する意見
厚生労働省のウェブサイトに掲載を希望した緊急避妊にかかる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧
(最終更新 令和5年3月14日)緊急避妊薬は、性交後72時間以内に内服する必要性があり、迅速な対応が求められるものの、地方において産婦人科を受診しにくい状況や、デートレイプを含む犯罪などが関係する場合などにおいてもアクセスがしにくいという指摘があります。
一方で、緊急避妊薬を処方すべきかの判断は過去の月経などの情報を的確に聴取し判断する必要があるとされています。(日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針」)
こうした状況を踏まえ、緊急避妊を希望する方が医療機関を選択する際の参考となるよう、緊急避妊にかかる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧を作成しました。緊急避妊に係るオンライン診療について
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成30年3月)(令和4年1月一部改訂)において、オンライン診療で緊急避妊に係る診療を行うことについて、一定の要件に加え、産婦人科医又は厚生労働省が指定する研修を受講した医師が、初診からオンライン診療を行うことは許容されうることとしています。・オンライン診療を行う医師向けの研修・緊急避妊薬の処方に関する研修の申し込みURLはこちら・緊急避妊に関する研修を修了した医師の一覧はこちら
厚生労働省より
V. 結論
結局現在緊急避妊薬を服用したいと思ってもすぐにドラックストアーで購入することができないということが現状です。また、オンラインで診断されて処方箋を発行することはできるかもしれませんが、全ての薬局が処方箋の薬の在庫があるわけではありません。緊急性が高い薬なのでスイッチOTCすることによって苦しんでいる方にすぐに薬が服用できる環境ができることを願っています。
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